轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
「死神をつれて、どこへ……?」
外に出るとオカマは、前もって待たせておいたみたいにすぐ近づいて来た円タクに手をあげて、身のこなしは女のようにくねくねしていても、ひどくテキパキと、
「さ、乗りましょう」
俺にそう言うと、運転手には小声で行き先を告げた。
どこへ行くんだ――聞くのは業腹で、俺は黙って車に乗った。その俺をアビルの奴が、顔をしかめて見送っていた。夜目にもしるく俺を憐れんでいる表情と見えたが、案外それは、単に寒いのでしかめ面をしていたのかもしれぬ。
風がひどい。浅草を離れると、暗い町が車窓の外につづいた。どこへでも好きなところへ連れて行きゃがれ。ふて腐った恰好で俺は腰をおとして、寝そべるみたいに座席にもたれた。その腿にオカマは手を当てていた。まるで病人の俺の看護でもするみたいに寄りそっている。そのオカマの顔を下から見あげた俺は、奴の作り笑いがかなり複雑なものを隠しているのを感じた。
「おめえは俺のことを知ってるな」
まず俺はそう言って探りを入れてみた。慌てるかと思ったら、奴は、
「さあ、なんて言ったらいいかしら」
しゃあしゃあと、こう、ぬかしやがった。