轻松读懂日语经典作品
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
波子は俺のコップにビールをついだ。置きつぎなのでビールはコップから溢れた。
「あたしも、こんな人、どうして好きになっちゃったのかしら」
とんと大きな音を立て、ビール瓶を置くと、波子は黙って立ちあがって、座敷の隅の乱れかごから着がえを取って、ひとりで浴室に行った。
畜生! なれたもんだな――俺はビールをがぶ飲みした。浴室から、波子が湯を身体にかけつけている音が、ひどく刺戟的に聞えてきた。波音に消されがちなその音が、俺の耳に大きくひびいてきた。やがて湯槽に身を沈めたのか、しーんと静かになった。俺は溜息をついた。居たたまれないような気持で、俺も立って洋服をぬいで、着がえをした。立ったついでにといった弁解を心に設けて、小部屋の唐紙をそっとあけると、なまめかしい蒲団が敷いてある。女郎買いでは人にヒケを取らない俺なのに、まるでウブな男になっていた。檻のなかのけもののように俺は座敷中を、のっしのっしと歩き回っていた。
「なにしてんの」
浴室を出た波子が、あきれて、
「おかしな人」
そして鏡台に向って、
「四郎さんがあとからお風呂に来るかと思ったら……」
「来ないんで、がっかりした?」