轻松读懂日语经典作品
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
靴をぬぎかけて俺は、くるくると丸めた女の抜け毛が、たたきの隅に捨ててあるのを見た。クララに初めて会ったとき、こいつが支那ソバのどんぶりに浮いてたっけ。
クララのことがまだ忘れられないのか。にがにがしいおもいの俺に、
「あのガセビリ――クララと言ったっけな、あの女のおやじが四郎さんを探してるぜ」
と丸万は言った。俺は丸万からさぞかし渋い顔を見せられることだろうと思ったのに、そうでもなかった。俺のほうが、にがにがしい顔で、
「丸さんのところまで、ガサリ(探し)に来たのか」
「おやじに会ったそうだな」
「え?」
会う前の話と俺は思っていた。
「ガセビリと言や、あの家に富江というマトシ(年増)がいたろう。あれがいま、池袋で屋台のおでん屋をやってる。ケチな屋台だが、ガセビリ上りにしちゃあ、えれえもんだな。あの稼業は老けると見えて、すっかりメンチリ(シワだらけ)になっちまって……そうでなくても、俺は覚えちゃいねえんだが、飲みに行ってて、何かの話から、自分は苦界からやっと足が洗えたって……あけすけに言うとこも、えれえもんだ」
わざと話をそらした感じで、
「マリちゃんてえのは出世して、どこかの温泉場のマクラ芸者になってるそうだ。