轻松读懂日语经典作品
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
そう言おうとしたのだが、俺の口はとざされていた。過去の俺の殺人が思い出され、それが俺を黙らせたのだ。
殺人? 尾垣大将を暗殺するかわりに、俺はのら犬を殺した。その次は殺人だが、オカマのロクに誘われての、船の中での無意味な殺人。なんたることだ。なんという俺だ。俺も、もうすこしマシな殺人をやったらどうだ。
行った先は、なんという店だったか店の名を忘れたが、その中華料理のうまさといったらなかった。霞飛路(アベニュ・ジョッフル)の有名な四川料理屋だったかと思うが、四川料理とすると、辛いはずで、初めての舌にはそのカラさがうまさとは感じられないから、よその店だったろう。うまかったなあ。
いや、こう、いちいち珍しがっていたんではきりがない。これでは話がさっぱりはかどらない。
護衛の子分をひとり連れて、遅れてやってきた砂馬は、
「よく来たな、四郎さん。ま、当分はのんびりと遊んで貰うんだな」
丸万がロクに俺のことを、この砂馬ともとは兄弟分だったと言ったのがうそではないことを証明するような口調だった。そしてそのロクに、
「お前も一緒だったのか」
と砂馬は言って、丸万に眼をやった。