轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页

青空文庫

「早いな」

と俺は感心したように言ったが、口と心はちがっていた。

ベユウ(昨夜)の一件はもうグレが回った(発覚した)のかと内心は慌てていたのだが、金原は、呼び出しはあの件ではないはずだと言う。あれは仲間の中国人がうまく片づけたのだから何かほかの件だろうと言う。

そう言えば、あの四・五・六のロクは領事館警察が俺を探していると言っていた。なんの用だろう。

出頭すると、金原の言った通り俺は、殺人犯としてではなく、要視察人のテロリストとして呼ばれたのだ。内地を出るとき、俺は所轄に届け出をしなかった。しなければいけないのだが、へたに届け出をすると、渡航できないかもしれないと思って、無断で上海へ来た。それがばれて、なんで上海へ来たかと俺はしらべられた。俺は金原を真似て、さも軍の用務を帯びているかのような顔をした。

内地のサツと同じように領事館警察も軍には弱かった。形式的なアゴトリ(口述取り)ですんだ。その帰りに俺が裏の便所へ行ったら、道場のほうから異様なうめき声が聞えてきた。何事かとのぞいてみたら、刑事が数人、よってたかって、一人の男にヤキを入れているのだ。

その刑事のなかには船で一緒だったあのモダン・ボーイふうの男がいるではないか。