轻松读懂日语经典作品
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
「顔が広いのには全く驚くな」
「どこでも面子很好? 顔がきいて?」
と若紫は自分のことのように嬉しそうに言った。
「上海のあのマダムも、野中さんの知り合いだった」
「野中さん?」
「俺のペン・ネーム――源氏名さ」
と俺は言った。
「やっぱりそいじゃ文士だったの? いつだったか、こわいもの持ってて、あたし、びっくらした」
「びっくらか」
おいらん時分からすると、すっかり老けて見えた。外見はかなり変っているが、人のよさは変らないようだ。これで、よくまあ、こんな商売ができる。
「慰安婦にはシナの女もいるのかい」
「シナの女は駄目」
「駄目と言うと?」
風巻が聞いた。
「いやがって、なり手がないの。いくら金を出すと言っても、なんせ日本人は東洋鬼子だから……」
俺も鬼子か。俺は話題を変えた。
「慰安所のお女将とは大したもんだな」
皮肉ではなかったが、若紫も素直に受けて、
「このカブを買うの、大変だったのよ」
「儲かるだろうね」
「そうでもないのよ。なんせ、ピンはねがひどいから……」
「そう言うママさんだって、女の子から、頭をはねてるくせに」
「あら、いや、ママさんだなんて」
「女の子はそう言ってるじゃないか」