轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
そういう不道徳な病気の面倒は見てやらないといったふうだ。
なんとか先生はいないんですかと、面目丸潰れの丸万は食いさがっていた。トラホームの子供や肺病やみみたいなおかみさんや蒼んぶくれのじいさんなどが、狭い診療室から廊下にまで溢れている。
丸万がもと世話になったらしいそのなんとか先生は、地方の病院に赴任したと、白い上っぱりをつけた若い医者――学生にしてはちょっと年の行った所員が言った(これは学生でなく、大学を出て付属病院の医局にいる医学士だとのちに知った)。
そのなんとか先生に、コーガン炎をなおして貰ったのかと俺が丸万に聞くと、いや、そうじゃないんだがと、にがり切った顔だった。俺は丸万が、俺に向って大いに自慢していたコーガン炎を、てっきりここでなおして貰ったのだとばかり思っていた。
冗談じゃねえやと俺が帰りかかったとき、見るからに大学の先生らしい紳士が、廊下を通りかかって、おや? といった眼を丸万にそそいだと思うと、
「技工組合の丸万君じゃないか」
「帆住先生……」
と丸万は最敬礼をして、しばらくでしたと懐しそうに言って、
「先生はまだ、こちらの面倒を見てらっしゃるんですか」