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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

集合論はこの要素の概念から出発するのである。

有限主義・不連続主義の系統は、B・ラッセルやクテュラの手を通って、ヒルベルトの公理主義乃至数学的形式主義に到着し、無限主義・連続主義の系統はブローエルの直観主義に到着する。元来無限乃至連続の問題は「集合論の二律背反」とか「無限者の逆説」とか呼ばれている困難を持っているのであり、そしてこれ等の二律背反乃至逆説は数学的「存在」の概念に連関して生じて来るものであったが、形式主義は有限不連続な固定的なこの数学的存在――要素・数其他――から、一切の論理的・概念表現的・意味内容を捨象して、この存在を単なる記号にして了うことによって、今云った論理的困難を脱しようと企てる。之に反して直観主義は、数学的存在の論理的な概念が仮定する固定的存在の思想を斥けて、数学的根本直観によって数を自由な生成として把捉し、そうやってかの論理的困難を解こうと試みる。だがその結果、直観主義は、形式論理の法則を悉くは承認出来なくなる、排中律の如きは破棄されねばならなくなるのである。

エレア主義とヘラクレイトス主義とにまで還元出来るだろう数学に於けるこの二つの世界観乃至存在論は、だから実は直ちに論理学上の対立を意味している。