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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

社会一般は今日、多く、ブルジョア社会になぞらえられてのみ考えられる。

意識の方はどうか。意識自身の歴史的発生は今は問題になるまいが、意識の概念の発生は前にも云った通り、アウグスティヌスに置かれている。併しここで意識と考えられるものは神にまでつながる人間の内面性に他ならない。処が今日の諸意識概念の一般的な特色は、この人間の内面性を更に自我にまで結び付ける処にこそ横たわる。自我の概念の起源は遠くルネサンスにまで辿ることが出来るが、ルネサンスに於けるヒューマニズムと呼ばれるものは、実は、人間性の発見だったのではなくて、個人が中世的ギルドから解放されることを意味したのでなければならない。人間性とはかかる個人が発見された新鮮さを云い表わすものに外ならない。ここでは人間は個性あるものとして自覚される、工人は自由な芸術家――之こそ個性の主人である――にまで向上したのである。意識は自我として、個人として、個性として、又自由として、自覚される。意識は要するに自己意識(自覚)として登場した。之がやがて哲学的反省にまで齎らされると、ホッブズのアブソリュティズム(之は彼が個人の自由を余りに強く意識しすぎたことの結果であるとも云えよう)となり、デカルトの「コギト」