轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

にんげんひょう

人間豹

江戸川 乱歩

「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年1~2月、5月~1935(昭和10)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 155,989 字 · 311 页

青空文庫

麻布の竜土町だ。竜土町のね、明智小五郎っていう家へ行くんだよ」

「承知しました。私立探偵ですね」

運転手が威勢よく答える。

「おや、君はよく知っているね」

「有名ですからね。あたしゃ、早くあの先生が登場すればいいと、待ちかねているんですよ」

「どこへ登場するっていうんだい?」

「ご存じでしょう。ほら、例の大都劇場の一件でさあ。蘭子を狙っているけだものでさあ。早く明智さんが出て、あの人間と豹の混血児みたいなえてものを、やっつけてくれりゃいいと思っているんですよ。あたしゃ、江川蘭子は大のひいきですからね」

「ああ、そうかい。今にそんなことになるだろうよ」

他人の運転手でさえそこへ気がついているのだ。なぜおれはもっと早く明智探偵を訪ねなかったろうと、神谷はひとしお頼もしい感じがした。

明智小五郎は「吸血鬼」の事件の後、開化アパートの独身住いを引き払って、麻布区竜土町に、もと彼の女助手であった文代さんという美しい人と、新婚の家庭を構えていた。その家庭が同時に探偵事務所でもあった。夫妻ともに探偵好き冒険好きなので、家庭と事務所とを別々にする必要はまったくなかったのだ。