轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

にんげんひょう

人間豹

江戸川 乱歩

「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年1~2月、5月~1935(昭和10)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 155,989 字 · 311 页

青空文庫

その二色の薬をつめたブリキ缶が、僕の家にはいつもちゃんと用意してあったのだよ。尾行というやつは余程手腕のいる仕事だからね。女子供にはむずかしい。そこで小林や文代などには、まさかの場合は危険は冒さないで、この道具を使うように言い含めてあるんだ。今夜の場合などは、殊に適切だったよ。小林の機転を褒めてやってもらいたいね」

「ウン、さすがに君のお弟子ほどのことはあるよ。敵が電話をかけている隙をうかがって、それだけの仕事をするなんて、見上げたもんだ……さあ、それじゃ小林君の手柄をむだにしないように、さっそく追跡をはじめようか」

「ウン、それには警察の自動車が一台要るね。僕らがそれに乗って、その前をシャーロックに走ってもらうんだ」

「もう僕の方の刑事たちがやってくる時分だよ、先生たちきっと自動車に乗ってくるだろう」

間もなくその二名の腕利き刑事が、警察自動車を飛ばして来着した。

明智は文代さんのことは医者に任せておいて、恒川警部と共にその自動車に乗りこんだ。名犬シャーロックには長い綱をつけて、運転台に席を取った恒川氏が、その綱の先を握っている。

小林少年はクレオソートをたっぷり含ませた布を持ってきて、シャーロックの鼻先につきつけた。