轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
「キング」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,262 字 · 243 页
困った奴だ。
それから菊太郎君の奔走がつゞいた。何しろ足マメだ。頻繁に催促に行ってくれた。しかしいつも煮え切らない返事ばかり持って来る。矢っ張り商売が邪魔をしているようだと言うかと思えば、職業よりも人格本位らしいと言う。小柴君よりも文子夫人の方が進んでいると言うかと思えば、流石に小柴君は年来の友人だから考えていてくれると言う。猫の目のように変るから真相が分らないけれど。話の捗らないことは確実だった。僕は商売が手につかない。歴史は繰り返す。去年の夏頃の菊太郎君そのまゝだった。
「君、人格本位だから、商売の方をもっと目覚しくやらなければいけない。先方は漫然と引っ張って置いて、調査しているのかも知れないぜ」
と菊太郎君が注意してくれた。
「駄目だよ、もう僕は」
「一向進捗しないんだから無理もないけれど、調査しているんだと困る」
「人格本位ってことが分ったのかい?」
「さあ。それは単に僕の想像だ」
「僕は無能な仲人と無情な友人の手にかゝって相果てるのだろう」
「人を恨むものじゃないよ。小柴君だって僕だって一生懸命だ」
「僕はもう君の顔を見るのが厭になった」
「何故?」
「この頃は忠告ばかりする。