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ちきゅうとうなん

地球盗難

海野 十三

「ラヂオ科学」1936(昭和11)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,072 字 · 168 页

青空文庫

だから僕は最初あの真暗闇の森の中で先生にお話したでしょう。僕は地中に転落すると、まもなくこんな身体になって辻川博士邸内へ匍い出したのです。もちろん辻川博士は僕の傍に立っていて、たいへん熱心に、僕の身体を観察していました。そしてその夜にこの檻ではなく、あの本館に入れて、いろいろと診察のような事を受けたのです。そして夕食後、寝室を与えられて寝ましたが、どうして睡られましょう。そこでソッと忍んで外へ立ち出でました。そして庭のところから元の抜け穴をくぐって、森の中へ出たのです。先生にお目に懸ったのはそのときのことでした」

そういって巨人少年は、感慨深そうに、ため息をついたのであった。

「ウン、分った分った、君も随分悩んだことだろう」

「でもそのとき僕は、いくつかの不思議なことをお話したでしょう。あれは昼間、辻川博士の室にいるとき、博士が座を外したときに卓子の上にある博士の手帳をソッと覗いて、あれだけのことですが、ともかくも謎にみちた問題をつかまえたのです」

「そうだったネ。それについて、もっとよく相談したいんだが、なんとかしてその檻から出てこられないかネ」

「さあそれは弱りましたネ。