轻松读懂日语经典作品
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
恐らくそいつは庭から梯子をかけて忍び込んだのでしょう。その頃お嬢さんの寝室には誰もいなかった上に、窓は明けはなしてあったのだから、多分賊はそこから入って、廊下伝いに広間へ行ったものと思われます。庭にちゃんと梯子を立てた跡があるんですから、この推定は間違いありますまい」
警部補はそんな風に判断した。だが、それ以上の事は何も分らなかった。
そうしている所へ、品子さんの寝室へ取調べに行った二人の刑事が、広間に残してあった例の大蠍を抱きかかえて降りて来た。
「お嬢さんの話では、一昨日の夜更けに、寝室の窓から、この蠍が覗いたって云うんです。夢を見たんだと思って、誰にも云わなかったのだそうです。そういう事があったあとだものだから、今日こいつを見られた時、一層驚きがひどかったのだろうと思います」
刑事が報告した。
「ホウ、そんなことがあったのですか。わたしはちっとも知らなかった」
栄之丞氏も初耳であった。
「いずれにしても、相手が並々の奴じゃないのだから、余程用心しないといけません。……これでお宅の調べは終りました。我々は今度はお庭の塀の外や隣近所の人達を調べて見たいと思います。