轻松读懂日语经典作品
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きょうふおう
恐怖王
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年6月~7月、9月~10月、1932(昭和7)年1月~5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 66,038 字 · 133 页
ロイド眼鏡は、云い残して、アタフタと玄関へ出て行った。
やがて、助手をつれた写真屋が、座敷へ通された。
「もうちゃんと用意が出来ているんです。これからすぐ式場へ出かけることになっているんで、急いでやって下さい」
ロイド眼鏡が、セカセカと忙し相にして見せる。
写真屋は、家の中の様子が何だか変だと思ったけれど、前金は貰ってあるし、別に苦情を云う筋はないので、早速ピントを合せて、マグネシウムを焚いた。
「二三日中にこの家は引越しをすることになっていますから、写真は出来た時分に、こちらから取りに行きます。約束の日限をおくれない様にして下さい」
ロイド眼鏡は写真師を玄関に送り出して、念を押して置いて、元の座敷に帰って見ると、びっくりした。
ゴリラが死骸花嫁の手を握って、手の平に接吻したり、肩に手を廻して、まるで本当の新婚夫婦みたいに、何かボソボソと囁いたりしていたからだ。
「オイ冗談じゃない。つまらない真似はよせ」
声をかけると、ゴリラ奴ハッと飛び放れて、
「エヘヘヘヘヘ、つい、あんまり美しいもんだから」
と極り悪そうだ。
「サア、これでいい。花婿さま御用ずみだ。