轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

05 第五分冊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 页

青空文庫

信長は云い添えて、なお彼らの小屋掛料まで施して去った。その行列の遠く降りて行ったあと、峠の蝉時雨は彼の慈悲に泣く飢民の声のようでもあった。

こうした信長かと思えば、それからすぐ後の二月ほど後には、もうかつての叡山の殺戮以上、残忍極まる血の巷を、事もなげに歩いている信長でもあった。

それは。

八月十二日、岐阜を出て、十四日敦賀に入ると同時に開始された越前門徒一揆の討伐だった。

長浜の秀吉も参加した。

明智光秀は、先導役に立った。

丹羽、柴田、佐久間、滝川など――それは長篠出陣以上の堅陣だった。

「手を焼くなよ」

これが、この出陣に際しての、信長の自戒であった。

あいては一向宗の僧団や各地に散在する宗徒の寄り合いである。はっきりとした領界を持ち性格をそなえている一国ではない。

だからこれを一揆と呼んで、戦争とはいわない。時きらわず場所を選ばずに蜂起する事変である。それだけに、彼の戦法も、奇襲、詭策を専らとし、戦陣は長期を計り、一気に決戦することを好まず、長期出没して、信長を奔命につからすのが目的かのようであった。

朝倉家亡んでも、越前は失くならない。