轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
05 第五分冊
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 页
すると、それから三日目か四日目ごろの夕方。
大賀弥四郎と並んで、岡崎の御蔵方支配をしている山田八蔵のやしきへ、そこの裏門をどうのり越えて入って来たか、ぶらりと裏庭にすがたを現わした男がある。邸内の小侍を通じて、
「ぜひ、お目にかかりたい。……折入って、極く内密に」
と、主人八蔵に面会を求めた。それが石川又四郎であった。
やがて一室に通された。それも客書院でなく、奥まった密室である。――主の山田八蔵は、声をひそめて、石川又四郎に訊ねた。
「どう召されたのだ。……いったい、そのお姿は?」と。
知らないはずはない。
浜松でも岡崎でも、隠れないうわさにのぼっている又四郎の境遇である。
事情を承知していればこそ、人目のない密室へ通し、召使も遠ざけたのであろうに――八蔵はわざとそう空とぼけて訊く。
「折入って、貴殿の義心に、おすがりに来ました。日頃の誼みと、武士のおなさけに訴えて――」
又四郎は、両手をつかえ、やや声をふるわせて云った。彼の父大隅と八蔵とは、かつて同じ役目にいたこともあり、幼少から八蔵の顔はよく見知っていたのである。
「なに。武士の情けに訴えてと。