轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

徳田秋声『日本の文学 9 徳田秋声(一)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:新世帯、足迹、黴、爛。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 页

青空文庫

明るかった額から目のあたりも一体に曇んで来た。そして何か考え込みながら、窓から外を眺めている時の横顔などが、その気分と相応わないほど淋しく見られることがあった。

「お産をすると毒は皆おりてしまうそうですよ。」

病気を究めようともしないお銀は、大して気にもかけぬらしかったが、どこへどうなって行くとしても、産れる子に負うべき責任だけは笹村も感じないわけに行かなかった。

「それじゃあなたは、自分にそんな覚えでもあるんですか。」お銀は笹村に反問した。

笹村は学校を罷めて、検束のない放浪生活をしていた二十時分に、ふとしたことから負わされた小さな傷以来、体中に波うっていた若い血がにわかに頓挫ったような気が、始終していた。頭も頽れて来たし、懈い体も次第に蝕まれて行くようであった。酒、女、莨、放肆な生活、それらのせいとばかりも思えなかった。そんなものを追おうとする興味すら、やがてそこから漂って来る影に溺れ酔おうとする心に過ぎなかった。太陽の光、色彩に対する感じ――食物の味さえ年一年荒れた舌に失われて行くようであった。

頭脳が懈くなって来ると、笹村は手も足も出なかった。