轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

徳田秋声『日本の文学 9 徳田秋声(一)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:新世帯、足迹、黴、爛。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 346,393 字 · 692 页

青空文庫

三十五

」婆さんも笑い出した。

「道理で様子が変だと思った。倅などはとうから気がついていたぞえ。」

三十五

この婆さんの報知で上京して来たお銀の父親が、また田舎へ引き返して行ってから間もなく籍が笹村の方へ送られた。

東京でもいろいろのことをやって味噌をつけて行った父親は、製糸事業で失敗してから、それを挽回しようとして気を焦燥った結果、株でまた手痛くやられた、自分の甥にあたる本家の方の家の始末などにかかっていた。それが婆さんの二番目の子息になる欽也という医者に伴れられて、笹村の家へ来たのは、もう朝晩に袷羽織がほしいような時節であった。笹村は、それまでにその欽也という男に二度も逢っていた。遠い縁家先のある旧家を継ぐことになっていた欽也は、お銀からは「兄さん兄さん」と呼ばれていた。欽也がお銀を妹以上に愛していることも、笹村の目に見えた。

「おばさんは、私と兄さんと一緒にするつもりか何かだったんでしょうけれど……。」と、お銀は古い時分からのことを言い出して、淋しく笑っていた。「兄さんを一度呼んで下さいよ。」と、お銀は笹村に強請り強請りしていた。

一度谷中の友人と、その時も花を引いていたのを機会として、笹村は車夫に腕車を持たせて迎えにやった。