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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
田中貢太郎『日本怪談大全 第一巻 女怪の館』。同一底本的分册已合并为一书。收入:蟇の血、赤い土の壺、赤い花、馬の顔、切支丹転び、藤の瓔珞、草藪の中、仙術修業、頼朝の最後、雪の夜の怪、港の妖婦、神仙河野久、文妖伝、女賊記、春心、岐阜提灯、女の首、女の怪異、妖影、牡蠣船、雑木林の中。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 页
思いだして、「夢を見てたのか、ひどくあわててたじゃないか」
広巳の唇に微笑いが浮んだ。
「うん」
「どんな夢だ」
広巳はビールを一口飲んだ。
「へんな夢だよ、俺が歩いてると、二人の女の子が出て来て、奥さんがお待ちかねだと云うから、往ってみると、奥さんらしい女がいて、響応になってると、女が盃をくれと云うので、やろうとしているうちに、二人の女の子は鵜になって飛ぶし、女は内裏雛のようになったのだよ」
「それで、びっくりしたのか」
「そうだろう」広巳は笑って頭を掻いて、「へんな夢だよ」
「女の子が鵜になった、鵜になるはへんだね、なにかい、この比鵜を見たことがあるかい」
「見た、何時か品川の帰りに、あすこの八幡様へ入ってみると、天水桶さ、あの拝殿の傍にある鋳鉄の縁に、鵜がいて、ばさばさやってたのだ、ありゃあすこの池にいるだろうか」
「さあ、それは知らないが、それを見たのか」
「そうだよ」
「蒲鉾にいろいろの魚を入れるように、夢も見た材料で出来るのだね」
「そうだなあ」
「それじゃ、その奥さんのような女は、どうだ」
広巳はにやりとした。
「見たのだ」
「だろう」賢次もにやりとして、「おかっぽれだな」