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きゅうこんさんじゅうし
求婚三銃士
佐々木 邦
「講談倶樂部」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年10月~1935(昭和10)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,326 字 · 330 页
「まあ/\」
「ブク/\やっているものがありましたから、捉えて来て引き揚げたら、巡査ってことが後から分りました。泳げないくせに深いところへ入ったんです」
「アベコベね、助ける人が助けられたんですから」
「それですから新聞がデカ/\と書き立てました。僕はお褒美に金五円戴きました」
「お安いものね」
「しかし中学生の五円です。味を占めて、以来游ぎを知らない巡査を探しているんですけど、もう見つかりません」
「オホヽヽヽ」
「ハッハヽヽ」
「もうございません? 然ういうお話」
「今度は失敗談です。これは吉川君も安達君も関係がありますから、差障りのところは含んで置いて戴きます」
「大丈夫よ」
「元来の責任は僕にあるんですから、僕は後から恨まれました。二三年前のことです。僕の郷里から出た土佐太夫という義太夫語りがあります。その人の後援会があって、僕は先輩から切符を三枚押しつけられました。吉川君と安達君に一枚宛買って貰って、三人で出掛けたと思って下さい」
「思って上げますわ。オホ」
「歌舞伎座でした。人形芝居です。歌舞伎座も人形芝居も皆初めてでしたから、珍らしかったんです。休憩時間に三人で話しているところへ袴を穿いた人が来て、『お三人とも何うぞ此方へ』