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きゅうこんさんじゅうし

求婚三銃士

佐々木 邦

「講談倶樂部」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年10月~1935(昭和10)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,326 字 · 330 页

青空文庫

「ハッハヽヽ」

「学校で点数の取りっこをするのはスポーツに過ぎない。僕は斯ういう意見だが、何んなものだろう?」

「さあ、俄かに首肯し難い」

「頭のスポーツだと思うんだ。碁や将棋の類だと認める。碁打ちや将棋差しはそれ自身としては豪いだろうが、碁将棋が強いからって、大臣や重役にはなれない。その方は又別だ」

「そんな議論をしたのかい?」

「うむ。点数の取りっこが上手だって、代議士にもなれないと言ってやった」

「瀬戸君は何と答えた?」

「彼奴は議論と来ると自信があるから、厭に落ちついている。『見てい給え。今に成績の悪い奴等が悲鳴を揚げるから』と言った。考えて見ると君達のことだ」

「ふうむ」

「成程、種々と思い当る。正月年始に来る時には顔を洗って来給えと言った。僕は博士論文にしては早過ぎると思ったが、奴、正月までに君達二人を片付ける積りだ」

と小宮君は尚お話し続けて、十二時キッカリに間に合うように帰って行った。

横取り仲人

瀬戸君は溝淵閣下を度々訪れた。報告と相談の為めだった。

「何うだね?」

といつも閣下の方から膝を進めて訊いてくれるのは有難かった。

「相変らずでございます」

「曠日弥久というところかな?」