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きゅうこんさんじゅうし

求婚三銃士

佐々木 邦

「講談倶樂部」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年10月~1935(昭和10)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,326 字 · 330 页

青空文庫

「仲が好いのかい?」

「迚も」

「ふうむ。迚も尽しか? これは驚いた」

「小宮君が僕と話しているところへ来て、兄さんと呼ぶんだ。『兄さん』『何だい?』『内証よ。でも急用ですから』って、小宮君の耳へ口を持って行く。小宮君は若子さんの手を取って立ち上る。若子さんというんだ。映画の『終』を思い出させるような恰好になるから、側にいるものは当てられる。僕はいつも庭の方を向いて、木が何本生えているか勘定している」

「ハッハヽヽ」

「見せつけたいんだね、何方も。この間は二人でやって来たよ。小宮君が靴の紐まで結んでやるんだ。僕のところの奥さんはそれを見ていて後から主人に食ってかゝった。この頃の人は違いますと言うんだ。あなたなんか駄目ですと言うんだ」

「そんなことよりも、店は何うだい? 大きいのかい」

「家とは別だから知らないが、高松商事といって、相応のものらしい。何でも屋だ」

「有望々々。これはダブル・プレーだ。二人入れてやる」

「叔父さんの財産が美人ぐるみ転がり込むんだから、好い星の下へ生れて来た男さ」

「そこを睨んでいる。相続税を取られるから、その時の用心に叔父さんまで入れてしまう。