轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

きゅうこんさんじゅうし

求婚三銃士

佐々木 邦

「講談倶樂部」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年10月~1935(昭和10)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,326 字 · 330 页

青空文庫

これが大きいですよ。折角好いスタートを切ったのに、惜しいじゃありませんか?」

と大谷さんは、負けた場合ばかり想像している。此方が勝つとは決して思わないのらしい。安達君は苦り切ってしまった。そこへ奥さんが、

「安達さん、吉川さんが、お見えになりましたよ」

とお茶の間から取次いだ。

引き退るに好い切っかけだった。安達君は玄関へ行ったが、吉川君はもう二階へ上っているのだった。

「何うだい?」

「何うでもないよ」

「小宮君から電話がかゝって来たろう?」

「来た」

「行くかい?」

「行く」

と安達君は一々無愛想に答えた。

「ところで誘惑に来たんだ。何うだい? これから銀座へ附き合わないか?」

「厭だ」

「何故?」

「そんな心持になれない」

「御機嫌が悪いのか?」

「当り前だ」

「おや/\。さてはこの男、もう感づいているんだな」

「僕を盲目だと思っているのか?」

「恐れ入った。実は君に話して諒解を得たいことがあるんだ。飲みながらと思ったが、こゝでも宜い」

と吉川君は銀座を諦めて落ちついた。安達君の頭の中には今しがた考えた警句が渦を巻いていた。

「眉毛に唾をつけて聞こう」

「僕もこれで良心があるんだ」