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げんだいゆいぶつろんこうわ

現代唯物論講話

戸坂 潤

「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页

青空文庫

この場合のイデオロギーはであるから、模写説的に、そして又構成主義的に、――一言で云えば Abbildtheorie 的に――、虚偽とならねばならぬ必然性を有つ*。ブルジョア・イデオロギーはかくて、虚偽意識(虚偽を意識することではなくて、虚偽なる意識、即ち虚偽を真理と意識する意識)に他ならぬ。で虚偽意識がイデオロギーの第二の意味である。

* Abbildtheorie は吾々にとっては Imitationstheorie から区別されねばならぬ。前者はこの意味で、もはや模写説ではない。反映の労作なくして反映はあり得ない。「実践的模写説」と云ってもよいだろう。

虚偽意識としてのイデオロギーは、夫を一つの所産とする物質的下層建築に矛盾がある限り、他群のイデオロギーと対立闘争すべき必然的な運命の下に置かれている。そして夫がこの他群のイデオロギーを一つの虚偽意識として、之に反して自分の虚偽意識を真理として、意識するのは当然である。この意識を裏返せば、この他群のイデオロギーの方は正に真理意識となる。茲に第三に真理意識を意味するイデオロギーという言葉が、事実上使われねばならぬ必然性があったのである。