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げんだいゆいぶつろんこうわ

現代唯物論講話

戸坂 潤

「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页

青空文庫

五 結論

民族乃至国民の規定は、即ち又国家の規定は、階級の規定によって初めて具体化されるのであって、その逆ではない。――唯物史観は今日、元来反歴史観的歴史観である処のファシズム・イデオロギーに対して、当面の最大の対立物を見出しつつあるように見える。

五 結論

唯物史観の方法と定説とに就いては併し、マルクス主義と名乗る陣営の内からも、多くの異説を産んでいる。だがそれ等のものは、マルクス主義的実践の経験を通じて鍛えられた厳正な理論によって、その歪曲点を指摘されて来ている。之に与って力あったものはF・エンゲルスとレーニンとであった。E・ベルンシュタインの非弁証法的な修正主義は云う迄もなく、M・アードラーのカント主義的マルクス主義も、H・クーノーのラサール的マルクス主義も、W・ゾンバルトやE・レーデラーの社会学的マルクス主義も、G・ルカーチやK・コルシュの歴史主義的マルクス主義も、G・A・プレハーノフのヘーゲル主義的マルクス主義さえも、決して正統的マルクス主義社会科学――唯物史観――ではなかったと考えられる。

だが吾々は最後の問題へ急ごう。唯物史観の概念からマルクス主義的「社会科学」