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げんだいゆいぶつろんこうわ
現代唯物論講話
戸坂 潤
「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页
第四部 文化論
九 現代文化の状勢
一 現下の文化運動
(瓜生・直井訳)。
等々。
第四部 文化論
九 現代文化の状勢
一 現下の文化運動
所謂「左翼の潰滅」によって、日本の進歩的分子の多くのものが一時その観念の社会的支柱を見失ったように見えたことは、現象上の疑えない事実だったと云っていいだろう。所謂左翼なるものの存在は、外形的に現われた社会的存在物としては、元来微力であったのだが、併しその観念的な影響力の方面から云うと決して単にその程度につきるものとは考えられなかった。日本の左翼は現実的存在としてよりも遙かに多く、思想運動にとっての観念の支柱として有力であったという、特殊な条件を忘れてはならぬ。これは左翼の存在が著しく、インテリゲンチャ乃至文化人の観念的な拠り処であり、その思想上の原則を提供するための想定勢力であったという事情に、照応するものだった。処で所謂「左翼の潰滅」が観念の社会的支柱を打ち倒して了ったように見受けられるというのが、ごく最近までの事情だったのである。
そこでは「知識階級」の動揺や困惑が最も眼立つ社会現象となり、それが何か「知識階級」なるものの先天的な階級的宿命であり、インテリゲンチャはこの単なる中間階級的な宙ブラリンに止まるべき階級的宿命の外へ出ることが出来ないのだというようなことまでも、盛んに云われたものだ。