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げんだいゆいぶつろんこうわ
現代唯物論講話
戸坂 潤
「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页
政治や経済の規定を文化から引き出すことになるだろう。そしてこの点は、恰も夫が哲学上の自由主義であるためには、最も都合がいいのである。経済的自由や政治上の自由から、自由主義という哲学体系を築くことは非常にムツかしい、だが文化的自由から自由主義の哲学体系・思想メカニズム・を惹き出すことは沢山の哲学者がやって来たように、極めて容易なことだ。――かくて文化的自由主義は、往々、一方に於て文化主義であり、他方に於て哲学的自由主義を意味する。こうなると夫が、史的唯物論とも弁証法的唯物論とも違ったものであることは明らかだ。それだけではなく、その正反対物でさえあり得るようになるわけだ。
文化的自由という観念は例の思想的抵抗線としてのマルクス主義線上に於ては、一つの新鮮な推進力のあるテーマであるのだが、之が文化的自由主義という一つの哲学的性格を帯びて来ると、もはやマルクス主義の単なる代用物にさえ止まらなくなるのである。――尤も文化的自由主義と云っても、之を特に一つの行動や理論の体系的衝動としてのイズムとばかり理解する必要はない。文化的自由をテーマとして展開するという動きそのものを、文化的自由主義と呼ぶことも出来る。