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おりべというとうき
魯山人陶説
北大路 魯山人
北大路魯山人『魯山人陶説』。同一底本的分册已合并为一书。收入:織部という陶器、乾山の陶器、芸美革新、古唐津、古九谷観、志野焼の価値、瀬戸黒の話、陶器鑑賞について、備前焼、料理と器物、雅美ということ、古器観道楽、坐辺師友。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,241 字 · 127 页
これが最近俄かに世間の話題となり、その優れた芸術的価値を云々されるに至ったのは、我々が美濃古窯の発掘を行なって、その戸籍を突き止めたために、これが世評に上ってからのことである。思えば鼠志野も随分長いこと不遇な位置に忘れられていたものである。
鼠志野という名前は、色合いが鼠の毛のように見えるところから、誰言うとなしに出来た名前である。然るにこのごろ、絵の色が普通なら黒で出るところを逆に白で出るというので、逆志野などと名付けているものもあるが、余計なことである。第一逆志野などという名が意味としても当を得ていないし、名前自体が余りにも美意識を欠いている。何んぞ鼠志野の古雅にして妥当なるに如かんやである。
名前はさて措き、鼠志野のよさは作行が素直で、しかも力強くみやびやかな所にある。表面がやわらかで、美的でありながら底力のある点、しかもこだわったところのないのが、全く唯もう理屈なしに良いと言うより他はない。これを今やって見ても具合のよいものは出来ない。単に焼くだけでも昔のように出来ない。それは経済的にも出来ないが、ましてこうした芸術的な模様を再現することは今人には不可能である。