轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页

青空文庫

若いから、しようがないな」

と砂馬は笑った。

「うるせえ」

と俺は言った。ギーギーと軋む階段を俺は降りて行った。その音は俺の心の軋みのようにも思われた。

下の奥の便所に近づくと、

「待ってエ」

と、なかから女の声がした。俺は洗面所の細長い鏡に顔を近づけた。

「俺はあのクララと寝たい」

鏡の中の俺に俺は言った。

「クララとだけ寝たい」

便所の扉が乱暴に開かれて、ネルの寝巻を着た女が出てきた。素っ裸の上に寝巻をひっかけていると、ひと目で分る。

どいてよと女は言った。黙って、俺は鏡の前から身体をずらせた。

あいたわよと女は言った。早く便所にはいれと言うのだ。どこの訛りか分らないが、訛りがあった。

「マリちゃんか」

と俺は言った。胴長で顔まで細長いその女は、ひぇっといった声を出して、俺を見た。

俺は便所に飛びこんだ。そして便器にまたがって、ゆっくり、ズボンをずるずるとおろして、

「オッパイの、もろにでっかい女だな」

と呟きながら、しゃがみこむと、その俺のつい鼻のさきに、黒いゴムの管がぶらさがっていて、ゆらゆらとゆれていて、俺の顔にぶつかりそうだった。俺は俺の視線をその黒いゴム管に沿って上方へ辿らせてゆくと、紫色をした液体をたたえたガラスの容器をそこに見出した。