轻松读懂日语经典作品
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
……
話がさきに行きすぎた。留置場を出た俺はすぐ洋品屋へ飛びこんで、タリ(シャツ)タマビラ(サルマタ)の下着一式を買いこんだ。ひげもじゃらの、髪もぼさぼさの、山賊みたいな俺をうさん臭そうに見た洋品店の小僧に、
「この近所の銭湯はどこだい。ガチャバコ(留置所)の垢を落してくるんだ。そうだ、ミズビラも――手拭もくんな」
テンカリヤ(散髪屋)へ行く前にひとまず俺はズンブリ(銭湯)へ行く必要があった。留置場で観音さま(シラミ)にいっぱいたかられて、かいくてしょうがない。ハト(南京虫)にもやられていて、誰の眼にもひと目でそれと分る、カミあとが二つある赤い斑点が、俺の手首にあざやかに残っている。ハトはシラミとちがって身体に取っつきはしないのだが、間抜けなハトがシャツにくっついてないとも限らない。
俺は風呂屋へ行って、裸になって、きたないアマハダ(肌着類)をひとまとめにした。白いはずのシラミが俺の血をたらふく吸って黒い腹をしてやがるのが、縫い目に一列に並んでいるアマハダを、俺はくるくると丸めて、番台の娘に、
「こいつを捨ててくんな。ムシがついてる……」
「ムシが?」