轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页

青空文庫

相手はイカサマ師とはいえ、人を殺したにはちがいなかった。

「あの犬は、いつも俺の顔を見るのに、今夜はあんたを見ている」

怒ったようにアビルは言った。犬は俺たちの話に興味を持ったみたいに、小首をかしげていた。

「俺には犬が憑いているからか」

「あんたは不思議に誰からも愛される」

「愛される値打ちのない人間なのに」

「自分でそうきめてかかって……殺している」

「人を……?」

「愛を……」

その声には神秘がみちていた。

「だから、自分を……」

藤棚の柱に、犬が片足をあげた。小便をするなと見たら、小便は出なかった。それを恥じるような眼差しを投げて、こそこそと犬は去った。

「あんたは、気違いじゃなくて、すげえインテリだな」

俺が言うと、アビルは、

「インテリだなんて、そんなの、ちっともお世辞にならない。インテリなど今の時代には何の役にも立たない……」

そう言うのがインテリである証拠だ。

「インテリのくせに、俺のことを犬が憑いてるとか、なんとか……」

「あれは、ハッタリさ」

小便の出なかった犬みたいに恥ずかしそうに言った。

「いや、ほんとに犬が憑いているかもしれない。俺は犬をぶっ殺したんだ。