轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
それがしかし――東京の風俗がまだ眼に残っている俺には、フェエナゴ(カフェーの女給)か何かのような印象だったとしても、ハキダメに鶴がおりた感じなのも事実で、あら、まあ、奥さん……、と洗いざらしの見すぼらしい着物をきた波子は恐縮し、あわててもいた。
いかが……と鷹揚に言って、綾子は家のなかに素速く眼を走らせた。その眼で俺は、家財道具がまだてんでととのってないことに改めて気づいた。だが、これでも波子は新婚の世帯らしくしたいと、とぼしい金でせっせと買いととのえていたのだ。
この俺たちのところへ綾子が訪ねてきたのは、これが初めてのことだった。外で会っても、何か俺を避けるようにしていた綾子のこの来訪には、俺もいささかまごついた。絹靴下なんぞをはいたこの綾子に出せるような座蒲団はない。俺は自分の座蒲団を裏返して綾子にすすめた。
「おかまいなく……」
綾子は縁側にじかに腰をおろして、
「前々からぜひ一度うかがおうと思ってながら……」
あとは言葉を濁して足を組むと、
「今日は主人が釧路に行ったもんで……」
それはまるで百成の眼がうるさくて来れなかったと言わんばかりだった。