轻松读懂日语经典作品
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
清さんの話をしに、あたしんところへ、ちょくちょく来るんじゃないかって」
「うちの主人は右翼なんですよ」
関係のないことを言って、
「清さんのお友だちの野中さんは左翼でしょう」
「旦那は右翼?」
「つきあいで、仕方がないんでしょうけど」
綾子はきつい眼で俺を見て、
「なにかお困りのことがあったら、あたしに言ってちょうだい」
たとえ百成が俺を見限ろうとも、自分が後楯になって面倒を見てやると姐御のような口をきいた。この姐御気どりはどうやら百成に対しても同じなのではないか、そんなことを思いながら俺は口をへの字に結んでいた。すると横から波子が、いやに真剣な声で、
「お願いします」
丸万流だと、親分のバシタ(おかみさん)へのアイツキ(挨拶)といった感じだった。綾子は大きくうなずいて、
「トドリガナイ話になっちまって……」
これは女工の言葉で、とりとめのないというような意味である。
そこへ、港町には珍しい色白の男の子が、子供のくせにのっそりと現われた。綾子の子供で小学校の一年生だ。黙って暗い眼で俺たちを見つめて立っていた。
祭がはじまった。町内からそれぞれ自慢の山車をくり出し、街はあげて、文字通りお祭騒ぎだ。