轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
どさくさまぎれに、そんな恰好で、一通の手紙をポケットから出して、そっと俺に手渡した。慷堂からの手紙であることは、聞かないでも見ないでも分る。それをわざわざ届けに来てくれたのだ。
「すまねえ」
俺たちは海岸通りに出た。カゴメに混ってトビが低く空に舞っていた。地面にこぼれた魚をねらって、さっと降りてくる。その翼がヤケに大きく見えた。
「あとで、カニのフンドシをすこし貰ってくかな」
「ああ、いいとも」
と俺はうなずいた。カニの甲羅の上に、あれは正式(?)にはなんと呼ぶのか、内側を抱きかかえるような三角の形のものがついている。それが通称フンドシで、タラバガニのそのフンドシは普通のカニとちがって、ゆでるとカマボコみたいな歯ごたえの、うまい身がはいっている。しかしカニの肉みたいじゃないので、罐詰には使わない。
「今日はクナシリがよく見える」
金原が海に眼を放った。俺も立ちどまって、
「クナシリへ一遍渡ってみるかな。人の背より高いフキが生えてるそうだな。馬が怪我をするって言うから、すごい」
「クナシリのボリボリ(キノコ)はうまいな。今年の秋は、あんたにシメジやマイタケを持ってこよう」