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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
こんなおだやかな会話のあと、金原が、
「共産党も大物がころりとおジギをしちまって――転向とかなんとか、だらしがねえったら、ありやしない」
「まだ、アナーキストなんだな」
「まだとはなんだ」
ハマナスの赤い実を(ほんとはハマナシが正しい名だとここで知ったが、通称のほうにしておく)糸を通してつないで、当節風に言えばハワイのレイのように首にかけた子供たちが、丸く輪を作って何かもの珍しそうに見ている。うしろから俺ものぞきこむと、ひとりの子供が、ハマナスの実よりもちょっと大きめの、大福餅のような形をした、木で作った玉を持っていて、下へくるくるっと玉がおりたと思うと、それがまた、糸をつたってするすると上ってくる。ヨーヨーである。
「東京ではやるものは、じきここでもはやる」
金原はいまいましそうに、
「東京じゃ右翼のテロがはやってるが、こればかりは、こっちもというわけにはいかないな。テロも今じゃ右翼のおハコみたいになっちまった。右翼にお株を奪われた形かな。支那へでも行って暴れたい気もする。清さんもそれで行ったのかな」
俺は俺を呼ぶ波子の声を耳にして、振りむくと、
「お父うさん。