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いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页

青空文庫

このとき、奇怪な恍惚感を伴った戦慄が俺の肉体を貫いた。俺は射精をしていた。

(いやな感じ!)

風巻の姿が俺の眼に映った。自分が殺されるみたいな蒼い顔を伏せていた。

「えい」

今度は頸骨の間にうまく刀を切りこませることができた。血しぶきを浴びながら、

「やったぞ」

と俺は快哉を叫んだ。ヤーさまの言うシメテンである。

がばっと真赤な口があいて、首が――ころりと穴のなかに落ちるはずなのに、そのままぶらんとなって、

「なんだ、こりゃ」

皮膚を切り残したらしく、その皮膚で首がつながっている。

首をぶらんと前に垂らしたまま、まだ※(「にんべん+欠」の「人」に代えて「小」、第3水準1-14-13)公はもとのままの姿を崩さなかった。

(いやな感じ!)

俺の内部から不思議な笑いがこみあげてきた。

「あ、は、は、は」

笑いはとめどなくつづいて、とまらなかった。気が狂った笑いを俺は笑いつづけながら、穴のなかにころげ落ちた。

俺は自分のポケットに手を突っこんだ。お手玉の袋がどうした加減か破れていて、アズキがこぼれ散らばっている。そのアズキに混ったコハゼを、アズキと一緒に俺は、血でべとべとする手で握りしめながら、