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イデオロギーがいろん
イデオロギー概論
戸坂 潤
第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页
の提供者とさえなった。無論リードなどが考えていた人間一般は英国風の人間学――人性論(human nature の理論)――にぞくすると考えて好いから、すでに特殊な哲学史的制限を持っているのであるが、人々の常識は、この常識という概念を、実はもっと健全に理解している。というのは、凡ゆる人間に共通な根本的知識など事実あり得ないのが本当であって、実際の常識とは、世間の一般の人々(必ずしも総てである必要はない)にとって共通に通用する能力・知識及び見解を意味すると人々は考える。それは凡ゆる人間が事実立脚している公理的な知識ではなくて、却って凡ゆる人間が準拠すべき規範・理想的態度としての性格を有っている。だから知的常識の効用を却けたカントも、趣味判断に於ては美的常識――美的共通感覚(Sensus Communis aestheticus)――に根拠を求めることが出来、またそうせねばならなかった。――日常性はこうした常識が自分自身で持っている原理なのである。常識は他の何かの原理からの脱落や背反ではない、それ自身の原理を有っている。
ジャーナリズムが日常生活に根を有ち、従って常識的であるということは、ここからもう一遍規定し直されなければならなくなる。