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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

それは何等の崇高さも高遠さも持たないものであるかのように貶されるのを常とする。)

こうした日々の日常生活にその根を有っていたジャーナリズムは、普通世間の人々の平均的な知識・日常的知識と考えられる精神能力によって運ばれる。人々はこの能力を無雑作に常識と呼んでいるのである。処で常識にとっては専門的な知識は一応不用であり又時に有害でさえあると考えられる、常識は通俗的だという意味に於ても、又世間に知れ渡るという意味に於ても、ポピュラーであることが出来る、夫は例えば公衆(Public)によって支持される知識である、とそう人々は考えている。

だが日常性乃至常識の概念をこのようなものとしてしか理解しないことは、夫自身之に対する――劣悪な意味での――常識的理解でしかない。常識は一方に於て共通的な・平均された・凡庸な・知識を意味しないのではないが、他方に於て又健全な良識(ボンサンス)をも意味しているのが事実である。元来常識―― Common sense, Gemeinsinn ――という言葉は、アリストテレスの De Anima に於ける共通感覚(共通感官・共通感)から来たのであるが、それが五官に共通であることから転じて、人間一般に共通であることに変化して来て常識となり、トーマス・リードの手によってそれが真理の直覚的な公理