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フレップ・トリップ

フレップ・トリップ

北原 白秋

「女性」プラトン社、1925(大正14)年12月号~1927(昭和2)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,698 字 · 293 页

青空文庫

こちらは、ほう、あの御仁体が樺太庁は林野局のお役人だそうなと眺めている。

「早くせんかア。」ドドドン。

「ひっしょびくぞ。」ガタガタ。

「こら、こら。」ドンドン、「馬鹿野郎ッ。」

いくら躍鬼となったところで、そう早急に始末のつく訳はないのだから、もうこれで五度のパンクでいかな膏薬万能のタイヤでもそうそう無理な治療が利こうはずもなし、気長に待つより仕方があるまいと、こちらはみんなが呑気である。

空に孔でもあかないのかなと、私は仰いで手枕だ。

そこで庄亮、「おい白秋、長柄の鎌でスウッスと刈ったらなあ、あの燕麦を。」

俊敏F君観察だ。手と足何本突き出した。

重厚Hさんはただ苦笑いでカメラをそっちへ向けている。

和製タゴールさんは大茶目だ。ぴゅうと指笛でも吹きそうだ。眼鏡を片っ方はずしてる。

医専の一人はスケッチだ。畑の向うの楡の木はいい形だなと、やっている。外の一人は実直だ。心配そうに避けている。

工科のY君、流石である。ガバガバパンパン手助けだ。

警部のAさん京都府だ。知らぬふりです。めんどうだ。

「こりゃ、やい、観光団の馬鹿ッ。」

「頼母子講。」

「竜宮の身投げ。