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フレップ・トリップ

フレップ・トリップ

北原 白秋

「女性」プラトン社、1925(大正14)年12月号~1927(昭和2)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,698 字 · 293 页

青空文庫

」である。

ところで、此方だが、うっかり忘れていたのを、ふっと気がついて蟇口をあけて見たその後のことだ。

「あっはっはっ、こりゃおもしれえ。あっはっ。」

「何だい、どうしたんだい。」

「おもしれえおもしれえ。」

と、証文の一札である。

金壱万円也  北原白秋

とある。

「これはそのぉ、白秋にぃ一万円贈る、あっはっはっ、じゃあないんだね。君の値段がぁ一万※。」

「おやおや。」

「やあ、は※ぁ、まだおもしれえぞ、ききたまえ、わて、しりまへん。あっはっ、これがそのぉ、M爺ぃさんのぉ。」

「証明かね。」

「あっはっはっはっ。」

そこで、二人が腹をかかえて転げまわったものだったが、知るや知らずや、またまた一万円である。

「あの人も寂しいんだね。」と私も見送った。

と、

でれでれと二等の一組。男は中脊の目尻下り、女は髪を等分の、これはこってりの、おちょぼ口。その恋々相愛の、手に肩、肩に頬を寄せて、私たちの見る眼も憚らぬ御遊歩である。

「なんだい、ありゃ。」

「叱ッ。」

「あれが君、評判の鴛鴦夫婦でさあ。」

「袋叩きにしようという、あれですかい。」

「あっは、何でも白粉刷毛まで御亭が叩いてやるんだそうだよ。