轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

フレップ・トリップ

フレップ・トリップ

北原 白秋

「女性」プラトン社、1925(大正14)年12月号~1927(昭和2)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,698 字 · 293 页

青空文庫

それも強雨の霧しぶきの中の浜辺で、あちこちと奔走している黒い人影までが、つぎつぎと吹き飛ばされそうに撓んでいる。

ぼう、わう、わう。

あ、犬が吼えてる、吼えてる。

と、小さな鈍いろのランチが高く低く、のめりそうに高く低く、その荒浪を乗りあげ乗り下ろして来る。ぼうぼうぼうぼう。汽笛ばかりがけたたましく弾みをつけながら、横さまに倒れ倒れ起き上って来る。と、後に曳いた大きな艀に、洋服や半纏著の二、三人が立って、何かしきりに帽子を振っているが、とても凄まじい揺れ方である。

その時、私たちは思い思いの防水用意をして、既に右舷のブリッジのそばに犇々と詰めかけていた。

ランチは程よい距離に近づいたところで、曳綱のロップを放すと、代って艀がひたひたと近づいて来た。巡査と村長さんらしいのが直立している。いかにも素朴な風をしている。此処にもそうした人たちが住んでいたのかと思うと、何かしら心強くもなる。

雨は幾分かずつ小降りになるようであるが、波のあおりはいよいよ激しくなるばかしである。ともすると、艀が舷側のブリッジの中程まで糶り上って、ガチガチとやると、すっと堕ち込んで離れてしまう。