轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

「講談倶楽部」1959(昭和34)年1月~9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 149,721 字 · 296 页

青空文庫

得石が前へ出ようとし、おくにはすばやく、あいている襖の外へ出た。

「むさし屋のおかみさんをたらしこむと、どうもちかけたか金をひき出し、石順先生のお屋敷を出てこの水谷町へ家を持った、海野得石、本道婦人科と看板をあげたのも、ちゃんと正当な免許を貰ったのじゃなく、むさし屋の金の力で取ったまでじゃないか」おくには廊下で歯を剥きだしてみせた、「おまえさんがあたしをいっしょに伴れ出したのは、けがらわしい療治のことや、療治に来た女の人たちとのいやらしい関係を、あたしがよく知っていると気づいたからさ、むさし屋のおかみさんの入れ知恵かもしれない、あれから五年の余も縁が切れなかったし、治療のしそこないで騒ぎになりそうになると、いつもおかみさんに泣きついて助けてもらったんだからね、――いいかい、あたしはこういうことをみんな知ってるんだよ、その中でもひどいのは、中橋の満利屋のごしんぞさ、おまえさんがいつもの手でむが夢中にさせたあげく、とうとう子を孕ませてしまった、それがわかって、可哀そうにごしんぞさんは首を吊って」

「そんなことをここで並べたててどうするんだ」得石はやわらかい調子で遮った、「それは出るところへ出て饒舌るんだろう」