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ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
「講談倶楽部」1959(昭和34)年1月~9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 149,721 字 · 296 页
七
おしのは息をのんだ。
「これは女の骨じゃあねえって」と云って佐吉は二つ飲んだ、「若い者の骨にはちげえねえが、腰っ骨が男だって、娘でも十六、七になると、腰っ骨が違ってくるんですってね、ここんところが」
佐吉は片手で自分の腰を叩いた。
七
おしのはきつく眼をつむった。
「これだけはごまかせねえんだそうです、ええ」と佐吉は続けた、「女のはこう開くんだそうで腰の骨がこう開くから、いしきや腿が太くなるんで、これは間違いなく十七、八の男の骨だって云ったそうです」
「おしのさん、もういけませんぜ」と彼は続けた、「――菊太郎の親から、行方知れずの届けが出ているでしょう、それを突き合わせれば、菊太郎とおかみさんの仲もわかるだろうし、得石、蝶太夫、香屋の清一と、薯の蔓をたぐるようにつながって出てきますぜ、そう思いませんか」
「そう思うわ」とおしのが云った、「そして、あんたの名も出てくるわね」
「げっ、と云いてえが、初めにてめえで気がついた、そこまでたぐっておれの名が出ねえ筈はねえってね」佐吉は燗鍋の中の徳利を出し、手酌で三つ呷った、「おしのさん、あっしゃあ金で買われておめえの手伝いをした、だが、一度だって自分で手出しをしたこたあねえ、ただおめえに頼まれて、ほんの手伝いをしただけだ、そいつはしらべてみればわかるこったし、おめえのことなんぞ