轻松读懂日语经典作品
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
ドアを開けるや否や、流石の桜井氏も、「アッ」とのけぞらんばかりに驚かないではいられなかった。
女中が気を失って倒れている。殿村夫人は猿轡をはめられ、手足を縛られて転がっている。ベッドはと見ると、これはまあどうしたことだ。品子さんの姿は煙の様に消えてなくなっていたではないか。
夫人は余りの事にそこの椅子にヨロヨロと腰かけたまま、茫然として物を云う力もない。
「オーイ、誰か来てくれ。早く早く」
桜井氏は廊下に飛び出して大声に怒鳴った。
バタバタと書生共が階段を上って来る。
「今の警官達がまだその辺にいる筈だ。早く呼び戻してくれ。お嬢さんが見えなくなりましたと云って」
書生達が駈け出すあとについて、桜井氏も階段を降り、電話室に飛び込むと、受話器をガチャガチャ云わせて、性急に交換手を呼んだ。
だが、いくら待っても交換手は出て来なかった。どうも変だ。受話器の中は死んだ様に静まり返って、電流が遮断されているとしか思えなかった。時も時、電話に支障が起るとは。
電話を諦めて玄関へ飛び出して行くと、外から帰って来た書生達とぶッつかった。
「どうだ。さっきの人達はまだいたか」