轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页

青空文庫

イヤイヤ、そんな事よりも、肝腎の悪魔の首魁というのは、一体全体何者であったか。三笠探偵は、その主犯者がこの桜井家の洋室に隠れていると断言した。そいつはどこにいるのだ。世にも憎むべき残虐の毒虫は、今どんな顔をして、どの辺に腰かけているのだ。

彼等はお互に、隣席の人達の横顔を、ソッと盗見ないではいられなかった。残らず知合いの間柄だ。その中にたった一人だけ、恐ろしい奴が隠れているという。果してそんなことがあり得るのだろうか。

人々があれこれと考えめぐらしている間に、老探偵はズボンのポケットから鍵を取り出すと、傍らのトランクに近づいて、その錠前をガチャガチャ云わせていたが、やがて、重い蓋が徐ろに開かれて行く。

人々の目は一斉に暗いトランクの内部に注がれた。

何者かが蠢いている。蓋が開くにつれて、その者が、せり出しの様に、段々頭をもたげて来る。そして、遂にその全形が暴露された。

お化けみたいな奴が、トランクの中に、チョコンと立上っていた。身の丈三尺に足らぬ小人島だ。その五六歳の幼児の胴体に、これは又べら棒に大きな顔が乗っかっている。髪は銀杏返しに結って、赤い手絡をかけて、その下に、鉢の開いた静脈の透いて見える広い額、飛び出した大きな両眼、平べったい鼻、口には猿轡がはめられ、派出なメリンスの着物の上から、グルグル繩