轻松读懂日语经典作品
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
カラクリ仕掛けなんぞないけれど、わしはここを出るのだ。ホラ見給え、これが探偵の七つ道具だ。わしはどんな時でも、これ丈けは肌身離さず持ち歩いているのだよ。こんな穴蔵の中に、どうして懐中電燈があったか。君は不思議に思わなかったかね。わしの七つ道具の中には、懐中電燈もちゃんと揃っているのだよ」
老探偵は云いながら、ポケットから、小型のハンドバッグかと思われる革製の容器を取り出して、円光の中に拡げて見せた。
そこには七つどころではない、二十種に余る種々様々の形をした、非常に小型な、小人島の道具類が、出来るだけ嵩ばらぬ様に、巧みな組合せになって、ズラリと並んでいた。
金庫破りの名人が持っている様な万能鍵束、小型だけれど倍率の大きい虫眼鏡、黒い絹糸を縒り合せて作った一握り程の繩梯子、鋸のついた万能ナイフ、指紋検出の用具、手の平に入るライカ写真器、注射器、数個の薬品の小瓶等、等、等。
「これをごらん。何だと思うね。わしの魔法の杖だよ」
老探偵が取上げて示したのは、長さ二寸程のピカピカ光る金属の円筒であった。
「これと繩梯子があれば、こんな穴蔵なぞ、抜け出すのは訳もないことだ。