轻松读懂日语经典作品
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
「お嬢さん、どうですい。面白かったでしょう。この野郎があんな無駄口を叩いて種明しをしなけりゃ、もっともっと面白かったでしょうがね。まことに気の利かねえ奴で、申訳がありませんよ。ところで、とうとう目当ての場所へ来ましたぜ。ねえお嬢さん、お前さんの最期の場所へ来たんですぜ。しっかり目をあいてごらんなさい。アレだ。アレがつまりお前さんの運命なんだ」
悪魔の指す所、おぼろに霞む竹藪の中に、ニョッキリ聳えた、異様な人影があった。又してもお化人形かと見れば、そうではなくて、殆ど全裸体の若い娘が、頑丈な十字架に、手を拡げ、股を拡げて括りつけられ、両の乳房のあたりに、二つの黒い穴があいて、そこから流れ落ちた血潮が、下半身をあけに染め、苦悶の形相物凄く、歯を喰いしばって息絶えている。磔刑人形なのだ。
「分ったかね。やがて二三十分もすれば、お前さんが、この人形とそっくりの、むごたらしい有様になるんだぜ。ハハハ……、怖いかね」
アア、何という悪魔。これが彼奴等の本音であったのだ。長い道中を、散々怖がらせ、いじめ抜いて置いて、最後には、今の世に聞いたこともない磔刑の目論見とは。