轻松读懂日语经典作品
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
彼女は堪え堪えた最後の気力を失って、その場にぐったりとくずおれて、可哀相に気絶してしまったのだ。
「ちっと薬が利きすぎたね」
偽探偵が、くずおれた珠子を顎でしゃくって、首領の青眼鏡に笑って見せた。
「却って世話を焼かせなくってよかろうぜ。柱に括りつけてしまってから、目を醒まさせる方がいい」
青眼鏡は云いながら、張子の岩のうしろへ手を突込んで、スルスルと一丈程もある黒い棒のようなものを引っぱり出し、それを立ててトントンと地面を突いた。見上げる棒のてっぺんには、キラキラと銀色のものが光っている。槍だ。おもちゃではない本物の槍だ。これで珠子の胸を抉ろうというのだろう。
青眼鏡はその槍を使って、十字架上の磔刑人形の手足を縛った繩を、プツリプツリと切り離した。人形はガサガサと大きな音を立てて、竹藪の底へ落ち込んでしまった。あとには、頑丈な十字の柱が、珠子の身体を待ち兼ね顔に、白々と立っている。
「サア、手伝ってくんな。この柱を倒して、娘を括りつけてから、元の通りに立てるんだ」
青眼鏡の命令だ。
「合点だ……オイ、お前何をボンヤリしているんだ。早くこっちへ来て手伝わないか。