轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

06 第六分冊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 200,320 字 · 398 页

青空文庫

まさに、消えなんとする灯は、滅前、鮮らかな一閃の光りを放つ。

いま、半兵衛のすがたは、その生命は、あたかもそうした崇高な一瞬に似ていた。

――必死に、彼はなお、この世に最期のことばを、秀吉へ告げようとし、そして云いつづけた。

「多事、これからの多事多端、世のうつり変りは、寔に、思いやらるるばかりです。……大きな変革期のさかいにある今の日本。……生きられるものなら、半兵衛ごときも、生きてそのゆくてを見とどけたい。真実、左様に存じますれど……天寿、いかんともなし得ません」

次第に、ことばも明晰になってくる。生命力だけでものをいっているようだった。肉体そのものはさすがに時々大きく喘ぎ、肩を抑えては、次のことばまでの呼吸をやめていた。

「……が、殿。……あなた様こそは、かかる時代に、生れあわせ、また選ばれたるものぞと、御自身、お思いにはなりませぬか。……つらつら半兵衛が、見上げ奉るところでは、あなた様は、ゆめ、天下人たらんなどとは、野望しておいででない」

ここで、また、間をおいて、

「それが、今日までは、あなた様の御長所で特徴でもありました。――失礼ながら、あなた様は、お草履取であるときは、お草履取の職分に万念をつくし、また、一士分の身であるときは一士分の職分に全能をつくし、決して、徒らに上ばかり見て足を浮かしている